忍びの末裔はスキルを持て余す
戸沢白雲斎様より授かった甲賀流忍術。
それは猿飛佐助をはじめ、偉大なる忍者たちに代々受け継がれてきました。
そう、時代が変われど、我々は決して表舞台には姿を現さず、ひっそりと政治の裏で暗躍してきたのです。
つい最近までは、、
今のK田政権はあろうことか600年続く忍者の歴史に終止符を打つべく、我々忍者の末裔を徹底的に闇に葬り去ろうとしました。
そして、我々は逃亡の末、散り散りになってしまったのです。
今までのサラリー忍者から一転。
自分自身で生計を立てなければならなくなりました。
そして運良く職にありつけても、3ヶ月もあればクビになりました。コミュ障ですから。
そんな絶望の日々を過ごしていた私ですが、あるとき、転機が訪れます。
私が28個目の仕事をクビになったその夜。
いつもの帰り道でふと顔を上げると、私好みの奥ゆかしい女性が目の前を横切ったのです。
その瞬間、どこからともなく天の声を聞きました。
「尾行しろ」と。
その後の私は、頭脳を乗っ取られたかの如く、無意識のうちに行動しました。
断片的な記憶ですが、36ほどの忍術を使って女性の家のベランダに忍び込みあろうことか、その女性のあられもない姿をカメラに収めていたのです。
いつものボロアポートで正気を取り戻した私は、その動画を見て恐怖で震えました。
そして、それと同時に興奮で私の股間は天守閣のように雄々しくなってしまったのです。
しかし先祖代々続く偉大なる甲賀流忍術をこのように使ったなど、、ご先祖様に顔向けできるでしょうか。
私は切腹しようとしました。
するとそのとき、またどこからか声が響いてきたのです。
「それを売れ」と。
私は気がつくと、その動画を販売していました。
正気を取り戻した今では罪悪感に苛まれております。
忍術を使ってこのような、、、
私が聞いている声は、仏の声か、
あるいは邪神の声なのか、、
我々忍びの末裔は、
この時代では、、
スキルを持て余す
PALPIS